ドミノ

2023

映画『ドミノ』は、ベン・アフレック主演、ロバート・ロドリゲス監督によるSFアクションスリラーです。2023年10月27日に日本で公開されました。

【あらすじ】 オースティン警察の刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、最愛のひとり娘ミニーが行方不明となり悲しみに暮れていた。誘拐を企んだ容疑者は逮捕されたが、彼は何も思い出せないというのだ。そんな中、ロークは貸金庫を狙った強盗事件で怪しい男を取り逃がす。男が娘の事件と関係していると信じ、手がかりを追うロークだったが、やがて自分が巨大な陰謀に巻き込まれていることに気づく。男は「絶対に捕まらない男」と呼ばれる謎の存在で、彼の正体や目的は一体何なのか?ロークは娘を救うために、危険な世界に飛び込んでいく。

【感想】 映画『ドミノ』は、ロバート・ロドリゲス監督らしいスタイリッシュでスピーディーな映像作品です。アクションシーンは迫力満点で、カメラワークや編集も巧みです。特に、貸金庫の強盗シーンやカーチェイスシーンは息をつく暇もないほどスリリングです。また、SF要素も随所に盛り込まれており、観客の想像力を刺激します。例えば、「絶対に捕まらない男」の正体や能力は、科学的な説明よりも神秘的な雰囲気で描かれています。そのため、彼の行動や目的については、最後まで予測がつきません。

一方で、ストーリーは多重構造になっており、複雑な展開やどんでん返しも多くあります。しかし、その分、登場人物の感情や動機が十分に描かれていないと感じました。特に、主人公のロークは娘を救うために奮闘する姿は見せますが、娘との関係や過去のトラウマなどはほとんど語られません。そのため、彼のキャラクターに深みや魅力が感じられませんでした。また、「絶対に捕まらない男」も、彼が何を求めているのかや、彼とロークの関係性も明確ではありません。そのため、彼らの対決にも緊張感や感動が生まれませんでした。

映画『ドミノ』は、映像的には見応えのある作品ですが、ストーリーやキャラクターには不満が残る作品でもあります。ロバート・ロドリゲス監督のファンやアクション好きな人にはおすすめですが、ドラマや心理描写を重視する人には物足りないかもしれません。

【監督と出演者情報】 映画『ドミノ』の監督は、ロバート・ロドリゲスです。彼は、『エル・マリアッチ』(92)や『デスパレード』(95)で注目されたメキシコ系の映画監督で、『スパイキッズ』(01)や『シン・シティ』(05)などのヒット作を手がけています。彼は自ら脚本や撮影、編集、音楽なども担当することで知られており、本作でも共同脚本・撮影・編集を務めています。

主演のダニー・ローク役は、ベン・アフレックです。彼は、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)でアカデミー賞を受賞したことで有名な俳優で、『アルゴ』(12)や『ゴーン・ガール』(14)などの話題作に出演しています。彼は本作では、刑事としての正義感と父親としての愛情を持つロークを演じています。

その他の出演者には、アリシー・ブラガ(『シティ・オブ・ゴッド』)、J・D・パルド(英語版)(『メイズ・ランナー』シリーズ)、ハラ・フィンリー(英語版)(『アナベル 死霊人形の誕生』)、ダイオ・オケニイ(英語版)(『ターミネーター4』)、ジェフ・フェイヒー(『ロスト』)、ジャッキー・アール・ヘイリー(『ウォッチメン』)、ウィリアム・フィクナー(『ダークナイト』)などがいます。